
無人島生活 二週間後。
ぴっぴはスローなテンポで島を作っていた。
島の施設の改築が出来ると聞いても
素材が足りないなら無理に作らなかった。
気が向けば不足している素材だけを
適量拾いに行くだけだった。
レアな動物がいるのは耳にしているが
これもまた「縁」だろうということで
探しに行くこともしない。
することと言えば
スケジュール管理を理解した貿易の設定を毎日1日分するだけ。
あとは、探索に行かせて、
動物素材の回収と餌やりをこなすだけだった。
そう、二週間も過ぎるとすることはほぼ無い。
誰かと競っているわけでもない。
手に入るおしゃれ装備もマウントも、
見せびらかす相手もいない。
ぼっち故にのんびりしていたのである。
そんな感じの島生活でも
ある日ランクが9になった。
その時だった。
島にタタルさんがやってきたのだった。
ぴっぴはメッセージを読み飛ばしして
しかも音声(があったかわからない)もテレビの音に書き消され
会話がわからない。
想像するにこんな会話だったに違いない。
タタルさん
「ここまでよく島を大きくしてくれまっした。さすがぴっぴさんでっす!
今日は紹介したい人を連れてきたでっす!」
体格のいい男が二人やってきた。
ヤ◯ザである。
そう、この島は暇をもて余した冒険者を
いいように利用して開発させたリゾート施設だった。
完成したころに巻き上げに来たのだ。
というのはぴっぴの想像に過ぎないが
そんな雰囲気を醸し出した彼らは
用が済んだのか帰っていった。
程なくして島はランク10となり
カンストした。
ぴっぴは開放されたフライングマウントで
未開の地すべてを踏破したのだった。
島に平穏が訪れたのかはわからない。
いつかまたあのヤクザ◯がやってくるかもしれない。
島を取り上げられるその日がくるまで
ぴっぴは今まで通りの生活を送ることにした。
貿易の設定だけをする日々。
設定だけしに訪れて
設定だけして帰るのだ。
無人島開拓は気がつけば
無人島管理になっていたのだった。
ー数ヵ月後ー
全ての交換アイテムを入手したぴっぴは
島に訪れなくなっていた。
自分の代わりに島の管理運営を行う魔法人形を置いて。
その魔法人形の名前は
「むじんくん」
と名付けられていたのだった…
おしまい
*この日記はフィクションです(大体いつもそう)。
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