B5F(ニバス)
ぴよこ騎士団は最終決戦地の空中庭園へ向け
更なる力を求め死者の宮殿へやって来ていた。
統治者となった今、力を求めるのは道理!
力こそパワーなのだ!
クレシダを連れたぴよこ騎士団の前に待っていたのは
ニバスだった。
オッーホッホッホッ!
耳が遠いぴっぴにはその笑い声はまるで
フリーザだった。
彼が引き連れているのは恐らくは
ザーボンさんとドトリアさんに違いない。
ぴっぴは目も悪かった。
そして…指揮する体力さえないぴっぴは
死者の宮殿を完全オートで進むことにしていた。
ニバス戦も例外では無かった。
そんな感じで退けたニバスに
置いていかれたザーボンさんとドドリアさんは
実はザエボスさんとレオナールさんだった。
デニムに対して何かを言って事切れる…。
そんな二人に続き更に他の人たちも次から次へと
デニムに何かをつたえて消えていく。
「私は、ゾード湿原であなたに…ぐほっ」
「俺は…レイゼン街道で…お前に…ぐほっ」
デニムはそんな彼女彼らの姿に首をかしげる。
誰だっけ?
デニムは覇道を突き進んでいた。
自分が殺めた敵のことなど覚えているはずもない。
レオナールのことすら…
「レオナールさーーん!!」
叫んだデニムの視線の端で
カチュアが口を動かしていたのだった。
パクパク(レ、オ、ナー、ル)
力を求めるデニムは徐々に人間性を失っていくのかもしれないし
いかないのかもしれない。
その答えは誰も知らない。
B22F(ゲオルギィ)
ーまえがきー
今回のオチは難解です。
22階の扉を開けるとフロアの奥の方に人影が見えた。
妙齢の女性のようだ。
ゾンビに襲われているのか!?
「助けるぞ!!(≧∇≦)」
後ろ姿しか見えないが
間違いなく美人であろうことを疑いもしないデニムは
新たな出会いを求めてぴよこ騎士団に号令をかけたのだった!
そんなデニムは数秒後やる気を失くしていた。
美人が去り、代わりに怪しげな男が目の前に現れたのだから。
目に飛び込んだ情報だけを頼りに直情的に行動するデニムを余所に
ぴっぴは消えた女を観察していた。
あの女…。
誰!?(°Д°)
SFC版にこんな人いたかしら?
ぴっぴはピコピコで検索してみた。
そんな記述は見つけられなかったが
名前の由来を知ることが出来た。
なるほど…。
ベルゼビュートとはベルゼバブのことなのか。
ではベルゼビュートが召喚したゲオルギイとは何者なのだろう。
ピコピコで興味本位に調べてみる…
するとそこには一冊の本が。
その本の名は…死者の本…
ではなかった。
「ベルゼバブの孫への話」というタイトルで
その著者がゲオルギーという名だった。
これはどういう事なのだろうか。
ぴっぴはこれ以上考察するための知識を持ち得ていなかった。
かと言って読む気にもならなかった。
何故なら難解そうだから。
「22階だろ…」
は?
やる気を失くしていたデニムが
ポツリと呟いた。
B39F
♪~おったから~おったから♪
前回の50階までは魅了を使いながらコツコツと
進めていた。
しかし今回はレベルキャップも40に増えているし
前回で得た強化効果もあって
魅了も使うことなくオートで
軽快に探索を進めていた。
たどり着いたそのフロアは
ルートから少し外れた場所にあった。
39階。
まだ39階なのだ。
少なくとも50階までは楽なのよね~。
誰もがそう思っていた。
ん!?
砂塵のオーブ!?
敵がオーブを使用したことに
若干の違和感を覚える。
今まで死者の宮殿にオーブ使う敵なんか居たかしら?
オーブと言えば全体攻撃の記憶があったけれど
リボーンではこれも弱体されているようで
十字5マス程度で安心する。
のも一瞬だった。
んん!?
300↑のダメージ!?
ちょっと痛いかも。
違和感が累積されていく。
ん?んん??
敵のHPバーの色が全部緑色なのだ。
まるで中立の敵!?
あンれぇ~!?
55!?
瞑想が発動した敵の魔法使いのレベル表示に
ぴっぴの顎が落ちる。
こっち40ですけど!(°Д°)
オートから手動に切り替え敵の情報を探る。
そして気づく。
バフ4枚持ちが居ることに!!
そのソードマスターの名前はアイム。
レベルは_60!?(°Д°)
こっち40ですけど!(°Д°)
クラスはソードマスターではなくアンノウン…。
そうか…こいつが…。
その強さは知らないが風の噂で
そんな名前の敵が死者の宮殿に出没することを
耳にしていたぴっぴはやっと状況を理解したのである。
しばし呆然と立ち尽くす。
全滅するのか!?
いや…まだやれることはあるはずだ!
敵が強いならそれを利用すればいいだけのこと。
ぴよこ騎士団はそうやって戦い抜いてきたではないか。
その数秒後、ぴっぴは膝から崩れ落ちていた。
魅了の成功率が全ての敵で0だった。
万策尽きたぁ~\(^-^)/
オートに戻して暫く戦闘を見守る。
格が違いすぎる…
蹂躙されるぴよこ達の姿に
ぴっぴの膝はカクカクと揺れていた。
ぴっぴはエマージェンシーと書かれたケースを親指で弾く。
ポチっ!
ぴよこ騎士団は時を戻した。
改めて突入したそのフロアは
そんな事など無かったかのように
普通の敵が闊歩していた。
さっきのあれは何だったんだ!?
今のぴよこ騎士団では倒せない存在が
死者の宮殿を彷徨いている!?((( ;゚Д゚)))
恐怖の記憶が刻まれる。
しかしぴっぴは思う。
死者の宮殿はこうでないと面白くない!
と。
そして…
また出会ったらすぐに逃げよう(≧∇≦)
と。
B79F(ベルゼビュート)
♪おったからおったから~♪
更なるお宝を求めてぴよこ騎士団は快進撃を続けていた。
ただ一人を除いて。
ぴっぴだけはいつ遭遇するかわからないアンノウンに恐怖心を抱いて
緊張していた…。
なんてことは無かった。
何故ならリボーンは死者の宮殿で
セーブもロードも出来るのだから。
そういう意味で緊張感はまるで無かった。
そんな感じで気づけば前回到達して引き返した50階層を越えて
未踏の79階へとやって来ていたのである。
そこでまたあの女が現れた。
ベルゼビュートである。
彼女は敵役に有りがちな行動をし始めた。
頼んでいないのに独り語りを始めたのだ。
彼女曰く「欲望は大切」だという。
「欲のないやつは生存競争には勝てない」のだと。
そして、言い放つ。
その欲こそが死者の宮殿に相応しく、その宮殿の探索に深く進んでいくぴよこ騎士団は誰よりも魔に近い!と。
あら魔(*´艸`)
誉められた!
ぴっぴは自分を俯瞰した。
こんなに欲のない人間はいるだろうか。
ぴっぴは何も欲しく無かった。
ただ戦闘を楽にしたいだけ。
ただ戦闘で死にたくないだけ。
そのために力をつけたい。
ただそれだけ。
(それが欲なんですよ…)
囁く声が聞こえた。
振り向いてもぴっぴの側には誰も居なかった。
遠くでは既に戦闘が始まっていた。
ぴっぴは思い出していた。
エオルゼアで過ごしていた頃を。
「ぴっぴちゃん、このおしゃれ装備が欲しいです。」
「相変わらず欲深いですねー」
「欲があるから頑張れるんですよー!」
それはぴっぴと秘書の会話だった。
そっか…確かに…。
ならば進もう。
この欲にまみれた覇道の道を!
そして目指そう!
欲望の向こう側ってやつを!
欲を満たしたその先に何が待っているのか?
そこから見える景色はどんななのか?
見てみたい。
ぴっぴは気づかない。
それがまた新たな欲であることに。
2回目にして初めて戦うベルゼビュートは
流石の強さを誇った。
だがしかし、
殲滅を目的としないぴよこ騎士団の敵では無かった(ぜぇ…ぜぇ…)
彼女にしても前出のゲオルギイにしても
生身の肉体さえあればいつでも復活するらしい。
いつかまたどこかで会うことがあるのだろうか。
会いたい。
会って彼女の物語を終わりにしてあげたい。
単純にオウガバトルの新作を遊びたい!!
そんな思いを胸に秘めて
ぴっぴは79階層を後にするのだった。
それがまた新たな欲だと気づかずに。
B100F(ニバス)
漸くたどり着いた。
そのフロアには階層数の看板が無い。
代わりに掲げられているのはフロア名だった。
冥府の祭壇
獄炎渦巻くそのフロアの名は
死者の宮殿最奥の地だった。
そこに一人の男が立っていた。
ニバスである。
ベルゼビュートにしてもニバスにしても
魔を自称するものというのは
何故にこうも独り語りをしたいものなのか。
ぴよこ騎士団はその独白にさして興味を抱くことはなかった。
そう!興味は無いのだった!
何故ならばぴよこ騎士団の興味は
お宝のみ!!
この謎のダンジョンで拾える数々の遺物!!
それこそがロマン!!
程なくして魔欲と物欲の戦いが始まり
程なくして決着は付いた。
ニバスを退けたぴよこ騎士団は転がる布袋を漁るのだった!
トレジャーはどれじゃー
トレジャーはどれじゃー
(≧∇≦)プププ
強烈なダジャレから逃げるようにニバスは消えた。
その姿にぴっぴは首をかしげる。
SFC版の記憶は遥か彼方ではあるものの
確かニバスは100Fまでやって来たデニムに
「しつこいですね!」
と苛立ちをぶつけていたような気がする。
そして最後は無数のコウモリになって
何処へともなく飛び去っていったような…?
どちらにしても今回のニバスも
肉体さえあればいつでも復活するらしい。
ベルゼビュートと同じく。
そんな彼の行き先をぴっぴは知っていた。
エオルゼア…。
それはFF14の世界だった。
これを読んでいるFF14に興味はあるけど
ネトゲだからと二の足を踏んでいるそこのあなた!
今のFF14ならば死者の宮殿コンテンツまで
ソロでも行くことが出来るかも?
更に言うと無料で遊べるはず!
ちょっと調べてみては如何かな?
ニバスとの再会を目指して…。
こうしてぴよこ騎士団は死者の宮殿を踏破したのだった。
そして気づくとまた死者の宮殿に潜っていた。
どこまでも物欲を刺激する。
ロマンが詰まったダンジョンの虜となっていたのである。
死者の宮殿…恐ろしい…子((((;゜Д゜)))


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