空中庭園1F(マルティム)
4章を駆け抜けて・・
遂にラストダンジョンとも言うべき空中庭園へとやって来たぴよこ騎士団を
マルティムが出迎える。
待っていたぞぉぉぅ~でぇにぃむぅ~。
ぴっぴの耳には段々とその声が
サザエさんのアナゴさんに聞こえてきた。
つまりはそう、岩本規夫ボイスに。
そんなマルティムはデニム達の相手を部下に押し付け去っていく。
ぴっぴは心の中で呟く。
(待て!マルティム!と言う)
「待て!マルティム!」
やっぱり言ったァ(°Д°)
思い返すとデニムはいつもそうだった。
そしていつも待てとは言うものの
追いかける素振りを見せない。
これは…。
ぴっぴがよく使う後輩に受けのよい先輩を演じる技!!
「何か手伝うことはあるかい?」
ぴっぴは後輩の仕事の進み具合を見た上で
声をかける。
「もう終わりますから大丈夫ですよ。」
「そっか。手伝おうと思ったのに…(/ω・\)チラッ」
手伝う気は無い。
「待て!マルティム!(/ω・\)チラッ」
追う気は無い。
場合によっては待たれても困る。
だが、リーダーである手前、やる気を見せなければならない。
デニムは去っていくマルティムに安堵した。
少しずつ敵の勢力を削っていくのだ。
仲間の士気を下げずに。
ぴっぴは後輩に種明かしをする。
手伝おうと思ったのにぃ!
本当だよ?
いい先輩に見えただろ?
これ(このくだり)、使っていいよ。
と。
親しみ易さを出すことも大事だと
デニムを見てまだまだ若いなと思うぴっぴなのだった。
空中庭園18F(アンドラス)
空中庭園18階。
そこにはマルティムとアンドラスが待ってた。
待っていたというよりも立ち塞がったというのが正しいのかもしれない。
ここでもデニムはレスバの末に
「待て!マルティム!!」
と叫ぶ。
もしかして…?
デニムはレスバによって立ち去るように誘導している!?
だとしたらてぇ~したもンだ!
デニムは更に叫ぶ。
「待て!アンドラス!!」
居る。
居座る。
「待て!!………………」
いかへんのかぁ~い!
デニムは内心焦るがそんな姿を仲間に見せるわけにはいかなかった。
まあいい。
どのみちいつかは倒さなければいけないのだから。
そんなデニムの気苦労など気にしないぴっぴは
ずっと気になっていることがあった。
それはアンドラスのおでこ。
あのおでこ…何か入っている!?
アンドラスは格闘主体の攻撃をしてくる。
あのおでここそ最強の攻撃なのでは!?
しかし!
彼は最期まで頭突きをしてくることは無かった。
本気を出さなかった!?
ローディスに滅ぼされた国を守るため
暗黒騎士団の一員に成り下がった亡国の王子。
彼にもまたぴっぴの知らない過酷な人生があった。
そんな彼に止めを指したのは
元暗黒騎士団のハボリムだった。
ちぇすとー!!
ハボリムは手刀でアンドラスのおでこにチョップした。
何かが割れた気がした。
アンドラスの中で。
彼は思いを吐露する。
そんな姿にぴっぴは哀しく思う反面で
馬鹿な奴だと思うのだった。
もう少し器用に立ち回ることは出来なかったのかと。
真面目故に今の立ち位置でしか
抗うことが出来なかったのだろうか。
あ!
ぴっぴの中にひとつの答えが走る。
あのおでこ…何か埋まっている訳じゃない!
あれは民を守るために
攻め入ったローディス教国への土下座の証!
おでこを叩き付けるように繰り返された懇願の痕跡!
気づくとぴっぴの頬には一筋の涙が伝っていた。
彼が遺したアイテム袋を手にして。
「良いもの入ってない…( TДT)」
ぴっぴは悲しみに暮れた。
空中庭園(マルティムとバルバス)
アンドラスからマルティムの行き先を聞き
ぴよこ騎士団は真のラストダンジョンである地下遺跡へと
足を踏み入れていた。
もう後戻りは出来ない。
片道切符である。
立ちはだかる敵を薙ぎ倒し
漸くマルティムとバルバスの居るフロアにたどり着いた。
そして意外な光景を目にする!
バルバスが封印を解いている!?(°Д°)
あいつ…脳筋じゃなかったのか!?
封印を
その資格そのものを持たずに強引に解くには
広い知識と高い知能が必要というのが常識。
それをバルバスは…。
何やら難解な詠唱まで行う!
なんてことだ!
かと言ってマルティムも頭が悪そうだから
流石にこのシーンはシナリオに無理があるのかもね。
とぴっぴは思わずにはいられない。
例えブリュンヒルドがどんな封印でも解いてしまう万能なアイテムだったとしても。
デニムはまた…(略)
そして、遂にマルティムとバルバスを追い詰める。
出撃人数は5人!
何故!?
12人でいいじゃないですか(°Д°)
ここはもしかするとゼノビアの三人を入れていたら
特殊会話が見られたかもしれない。
と思った頃には戦闘は終わっていた。
ぴっぴたちは強くなりすぎたのかもしれない。
だが時既に遅く、
カオスゲートが開く。
現れた人物にデニムは驚愕するのだった。
げげげーっ!!
と。
ゲートだけに!(≧∇≦)
空中庭園深部(ドルガリア王と円卓の騎士(ぴよこ騎士団))
デニムは驚きを隠せない!
ドルガリア王が召喚したのは
デニム達のコピーだったのだ。
「ぴよこ騎士団は強くなりすぎた」
まさかこんな形で自分たちが求めた力と対峙することになるとは…。
力を求めた者の末路がそこにはあった。
なるほど・・。
死者の宮殿で鍛えたのにラスボスがきつかったという風の噂は
こういうことだったのか・・。
オートで戦うぴよこ騎士団は
敗北が濃厚となる。
ぴっぴはそっと時を戻したのだった。
そうか!
ここでこのスキルを使うのか!
ぴっぴは最終戦に向けてスキルを見直していた。
確かそんなスキルがあったよねと。
それは蘇生禁止を更に無効化するクレリックの魔法だった。
名前も忘れ
これはいつ必要になるのかと
その日が来ないままその存在も忘れ去られた
いわばいにしえの魔法だった。
そしてついでに装備も見直す。
それはぴよこ騎士団が一番得意としていた戦法を最大限に行うための
必須アイテム。
再開されるラスボス戦。
ぴっぴはオートを手動に切り替える。
最後くらいは私も彼らと供に戦おう。
コピーを相手に指揮者の違いを見せてやる!
まず、ぴよこ騎士団が最優先に行うのは
敵の数を減らすこと。
ではなかった。
それはぴっぴが・・ぴよこ騎士団が一番得意とする戦法だった。
改めて装備した扇子から繰り出されたのは「魅了」。
クレシダとデネブの詠唱も容赦ない魅了だった。
乱舞するハート。
この世界は愛に溢れているんだよ!
思えばデニムの旅は愛を求める旅路だった。
姉への愛。
父への愛。
そして…美女たちへの愛。
ハーレム作りというふざけた行いに見えたそれは
愛による救済だったのだ。
愛で溢れたぴよこ騎士団が
愛を以てドルガリア王の能力を
削いでいく。
自分の父親の姿に心を惑わされるかと思われたカチュアも
弟の愛に守られ揺らぐことは無かった。
「愛にすべてを」託し
ぴよこ騎士団はドルガリア王を追い詰める!
「お前の姿はオウガその者だ!」
デニムの叫びにぴっぴは目を見開く!
ド、ドルガリア王がオウガ…だと!?
王が…オウガ…だと!?
王が…戦う…
オウガバトル…
(°Д°)ナントイウコトダ!
思えば前作の「伝説のオウガバトル」でも
トリスタン皇子が戦っていた。
王がバトル…。
そういうことだったのか!!(≧∇≦)
全ての謎が解けたかのような瞬間にぴっぴはひとり歓喜するのだった。
それにしても終わってみれば物足りない。
強かったのはドルガリア王ではなく
ぴよこ騎士団そのものだった。
その時だった!
カオスゲートが喋りだす!
それは真のラスボスが現れた事を意味した。
空中庭園深部(ラスボス)
ハエ?蜂!?
その姿は昆虫を思わせた。
名前はやはりドルガリア王だった。
俗にいう第二形態というやつだろう。
周りを見回し気づく。
HPが全快していない!
リボーンは甘い所があると常々思っていた。
セーブがどこでも出来ることに加えて
ステージが進むとHPが全快することも。
どちらもSFC版では対応していなかったのだから。
だから…無意識に戦闘終わりに
HPをある程度回復させていたのかもしれない。
当時の癖で。
それがここに来て役に立つとは…。
ドルガリア王のHPは4000↑。
これは厳しい戦いになるに違いない!
と思ったのも最初だけだった。
ビジュアルだけが派手だった。
思いの外あっさりと倒すことが出来た。
ただ…
お約束が待っていた。
片道切符で乗り込んだラストダンジョンが
ボスを倒したことで崩壊を始めたのだ。
そうそう!脱出がつきものなのよ(≧∇≦)
ぴっぴだけが楽しそうだった。
だがしかしどうやってこの状況から…。
どこからか聞こえる詠唱。
それは仲間達を地上へと運ぶテレポートの調べだった。
一体…誰が!?
ひとり残されたデニムの前に
ひとりの老人が現れた!
「うぉー!ウォーレンさん!」
やはりこの爺さん、デネブがお見舞いに来たときに
起きてたんだ…
そう思わずにはいられない。
でもどうやってここにたどり着けたのだろうか…。
よっと!
ん?最後に「よっと!」って言った?
もしかして元気なんじゃ…
それらをウォーレンに聞くことは叶わなかった。
デニムの身体をテレポートの魔法が包んだかと思った次の瞬間には
外に居たのだから…。
ーー それから時は過ぎた ーー
エンディング
ー それから時は過ぎた。 ー
戦いは終わりを告げたのだ。
王都ハイムではカチュアの戴冠式が行われていた。
側にはセリエ、シェリー、システィーナ、デネブがいた。
他の人は??
それぞれが王都を離れていった。
カチュアを信頼を寄せることが出来ないからなのか?
いや…逆だろう。
今のカチュアなら全員が側にいる必要はないと
判断したから、信頼すればこそなのだろう。
戴冠式には三姉妹しか列席していなかった。
オリビアは…?
三人の姉の代わりに責務を負っていた末っ子は
自由を許された。
彼女は彼のあとをこっそりと追うことにした。
額に光る青光の首飾りの持ち主である彼を。
ゼノビア三人組は帰途につく。
乗船する彼らをデニムが見送る。
カノープスはウォーレンは兎も角
ランスロットまで死んでしまったと思っているのか?
見舞いに行ったもののその様子を
カノープス達に伝えることがデニムには出来なかったのだ。
デニムの胸に痛みが走る。
しかし笑って旅立つカノープスは
その笑顔の裏に思うことがあるように思えた。
だからデニムも笑って見送ることにしたのだった。
クレシダを見送るデニム。
もしかしたら二人は似ているのかもしれない。
同じ悩みを抱えている。
だがそれを踏み越えて行かねばならない。
デニムはクレシダを送る時に
また会える時を期待して
ただ優しく救いの言葉を掛けたつもりだった。
しかし、それはクレシダからブーメランのように
返された。
彼女をリッチにさせたつもりは無かったが
血筋だろうか。
見事な反射だった。
クレシダが去っていく姿を見送るデニムも
その時にはもう会うことは無いのだろうと
感じていたのだった。
エンドロールが流れていく…
長い戦いを振り返るように
穏やかな調べに乗せて
ぴっぴの脳裏にこれまでの軌跡が浮かんでは消えていた。
そういえば…
先日、配信で見たLルートのラスト。
エンドロール後にとんでも展開があったっけ?
このCルートはどんな続きがあるのだろうか…
期待と不安が入り交じるなか
エンドロールが終わった。
そこに映し出されたのは
どこかの港だった。
船に乗り込む二人の人物に少し遅れてやって来た人物の
フードが風で剥がされる。
その後ろ姿は紫の髪を靡かせていた。
ーおしまいー

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