
意図したわけではないけれど
ぴっぴはひとつの希望を手にいれていた。
それは残機が1あるという安心感だった。
最初のソロ10Fまでのデータと
2回目の10Fまでのデータを
分けていたのだ。
何も考えずに。
これによって20Fまでのアタックが気楽になった。
「なるほど!こんな進め方もあるのか!」
一般的には当たり前の事かもしれないが
ぴっぴにとてはちょっとした目から鱗だった。
これなら「死者の宮殿」の方も
もう一つのデータを同じ階層まで進めたら少し気楽になるかもしれない。
実は過去にそんなことを考えたことがなかったわけではない。
もう一つのデータは
エオルゼアでの幼なじみのフレンドパーティーで
初めて200F踏破したときの記録だ。
そう簡単にリセットすることは出来ない。
躊躇ってそのままそういう方法をいつの間にか
考えないことが当たり前になっていたのだった。
話を戻して…。
そんなわけで残機が1あるという安心感を胸に
オルトエウレカの20Fまで足を延ばすことにした。
道中の敵は10Fよりも硬さが増している。
ただ嫌な攻撃をしてくる敵はいなかった。
たまたまなのかもしれないが。
残り時間が迫る。
敵も硬い。
この中々前に進めず時間に追われる感じは
死者の宮殿の140Fくらいに似ているような気がした。
もしかして??
死者の宮殿のメンタルトレーニングになるかも!?
ぴっぴは死者の宮殿160F踏破で
止めている。
何故なら次こそ戦死もしくは
時間切れで到達出来ないと
臆病風に吹かれているから。
ぴっぴは緊張感に耐えられない。
過呼吸になってしまうのだった。
死者の宮殿深層の雰囲気を模して
オルトエウレカの低層は難易度が設定されていのだとしたら?
これは意図的なものなのか?
死者の宮殿深層を擬似的に短時間で練習出来るように!?
そんなことを考えながら黙々と進む。
気づいたら20Fのボスの部屋に辿り着いていた。
ん!?
あれ!?
私のマウント!?
そこには赤黒い球が浮いていた。

コメント