
ぴっぴは焦燥に駆られていた。
「ぐぬぬ…最近の聴取率が一段と落ちている…ぐぬぬ」
これも最近始まったあの番組のせいだと憤る。
その番組は突然始まった。
月から発信されるその番組は聴くものの心に寄り添い優しさに溢れていたことで瞬く間に人気番組となったのだ。
ぴっぴはその番組の裏、
正しくは表でラジオDJをしていたのだった。
どんな番組かって??
録音しておいた放送があるから聞いてみよう♪
これは2017年の放送だ。
◆
はい、聞いて頂いた曲は「ぴっぴのズンドコ節」でした!
ここで1枚、リスナーの方からメールを頂きましたので読んでみたいと思います!
「ぴっぴさんこんばんわー!」
はい、こんばんわ!
「最近、日記が上がってなくてとても寂しいです!
あまりの寂しさに、妹から貰ったハワイのお土産ネットオークションに0円即決で出してしまいました(;>_<;)
すぐ落札されちゃいました(;>_<;)
マカダミアチョコをバレンタインデーに配ろうと思ってたのに!(‘ε’*)
こんな私に鳳凰のマウントを頂けたら嬉しいです(*≧∀≦*)」
えー、世田谷区のいつでも現役女子高生さんからでした。
日記のことはさておき、ツッコミどころ満載のメールでどこから突っ込んでいいかわかりませんね…
取り合えず、鳳凰は無理なのでコウモリの羽を99個送っておきまーす!
日記はね、中々ネタが無いと書くのも大変なんですよ。
でもそうですね、また何かあったら書いていこうと思います。
それでは、また明日のこの時間に気が向いたら会いましょう♪
◆
日記のネタに苦心している様子が伺える。
そしてふと思う。
「スクエニの開発が私の日記からインスピレーションを受けてレポリット族の話を作ったんだ!!」
そう思ったことでぴっぴは穏やかな心を取り戻したのだった。
過去の録音を漁っていたらもう1つの番組が出てきた。
聴いてみよう♪
◆
もしもし、私よ。
相談したいことがあるの?
だったら今すぐ砂の家に来てちょうだい。
では、また来週~
◆
十数秒で終わるこの番組の名は
『ミンフィリアのもしもし電話相談室』と言った。
この番組はリスナーが電話をかけるのではなくDJが突然電話をかけてくるのだった。
悩みの有無などお構いなしに!
彼女はリスナーがどこにいようとその場所を突き止め電話をしてくるのだ。
こ、これは…
トーキングウェイならぬストーキングウェイ…。
トーキングウェイならぬストーキングウェイ!
彼女が今どこにいるかはわからないけれど
そんな彼女の元にも月のラジオが届いているかもしれません。

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