
「ここは雑魚が沸いたらクリブ化して
一掃しないといけないんだけど、
それは私がやるので回復のサポートをお願いね。」
「はい!」
ここは色々と忙しい。
ソロ攻略では焦りから
床という名の辛酸を何度も舐めらされたことから
ぴっぴは100Fボスのニバスに苦手意識を持っていた。
ぴっぴは対ニバス戦をひとつの難所と捉えていた。
「では、がんばるぞいっ!」
「そい!」
いささか気が抜けそうになるような返しに
つんのめりながらぴっぴは聖者の秘薬を飲み干し
サキュバスへと姿を変えた。
戦闘開始だ。
赤魔のぴっぴによるヴォイドファイラは
連続魔によりニバスへ被ダメアップデバフを
10秒余りで付与していた。
秘薬の効果時間も気にしながら
そのままサキュバスでの攻撃を継続していた。
同時に秘書の動きを気にしながら。
すると!
ニバスのタゲが秘書へと切り替わった!
ヴォイドファイラではタゲ固定が出来ないのか!?(°Д°)
初めての二人攻略で気を付けるポイントは
タゲ維持なのだとここまでの道中で
密かに感じていたぴっぴは
急いでサキュバスを解除する。
秘書へ回復を飛ばした直後に
ニバスがサモンダークネスの詠唱を開始した!
緊張感が一気に高まる!
…雑魚が! 湧く!!!
そのタイミングで
ぴっぴはもう一度聖者の秘薬を使って
今度はクリブへと変身したのだった!
そして直ぐに気づいた!
「あ!秘薬が割れてない!!ヽ(;´ω`)ノ」
割ったと思ったものが割れてない・・・
となると頼れるのは秘書のフィジク!
だが!
フィジクの回復力が思っていたよりも低い!
んんん!!!???
連続魔のケアルを基準に想定していたぴっぴは
秘書のステイタスバーが視界に入って
愕然とするのだった。
んんんん????
なんで衰弱デバフが付いてるんだ!???
そんな疑問が頭に過るも問いかける余裕はない!
衰弱していることも加味して戦闘を続けるだけだ!
とぴっぴは素早く思考を切り替えた!
床に転がりながら…。
ぴっぴは失敗したのだ。
そもそも秘薬を使えていなかったことで!
秘書の衰弱に気づいていなかったことで!
回復が間に合わない状況で
クリブの変身を解くことも遅れたのだった。
ひ、ひしょぉ~~(-人-;)
心の中で長野オリンピックのスキー団体の
シーンを彷彿する祈りが秘書に向けられた。
ぴっぴに向いていたニバスのヘイトが秘書に集中する!
ー秘書は思ったー
ここね!
私の存在意義はここ!ふふん♪
解き放て!!迅速魔!!
リザレク!!!!
私はやる時はやる女なのよ!
二人の身体が交差する。
浮かび上がるのはぴっぴの身体だった!
そして…
沈み行くのは秘書の身体だった。
秘書は親指を立てて溶鉱炉へ沈んでいくように
床へ静かに転がったのだった…。

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